はい。どうもこんにちは。毎年、春と秋に公開される愛岐トンネル群。紅葉に合わせて11月後半から12月初旬にかけて公開していたので、最終日に行くことができたので紹介いたします。
愛岐トンネル群とは
愛岐トンネル群とは、愛知県と岐阜県の県境にまたがる、JR中本本線の旧線上にあるトンネルが続く区間になります。普段は立ち入りが禁止されていますが、NPO法人の「愛岐トンネル群保存再生委員会」の方々の努力によって、毎年春と秋の2回、一般公開されるようになりました。
国鉄中央線名古屋~多治見間は、明治33年に開通し、経済発展の大動脈として、近代化に多大な貢献をしました。
トンネル群の再生
その中の高蔵寺~多治見間は、複線電化と長大トンネルによる新線によって、1966年(昭和41年)に旧線は廃線になり、トンネル群は2005年の再発見までの約40年間、藪の中に埋まっていたそうです。
2007年に市民グループが結成され、多くの市民の汗と労力が費やされ、ようやく安全に歩けるようになり、トンネル群は「近代化産業遺産」や「登録有形文化財」に登録されるまでになったそうです。
秋の特別公開へ行ってみた
明治から昭和にかけての煉瓦造りのトンネルは、立派で重厚感があって、なんか浪漫があっていいですよね。夏には敦賀の旧北陸線トンネル群にも行ってきたところで、今回は近所の愛岐トンネル群が秋の特別公開をやっているということで、子供と二人で見に行ってきました。
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愛岐トンネル群は、JR中央線の「定光寺」駅から散策することになります。定光寺駅は駐車場が全くないので、定光寺駅までは、必ずJR中央線で行ってくださいね。
JR中央線 高蔵寺駅
家から定光寺駅の1つ手前駅、春日井市の高蔵寺駅から電車で行くことにしました。
この日は、公開最終日の12月3日の日曜日。朝10時ぐらいに高蔵寺駅周辺に到着したのですが、なんと、どこのコインパーキングも「満車」「満車」「満車」。
ここ数年で認知度が上がって、来る人も爆増しているのでしょうか??
なんとか、奇跡的にちょうど1台出庫するところに出くわしたので、なんとか駐車場に停めることができました。汗
土日に行く場合は、もっと朝早い時間帯か、もう少し名古屋よりの駅に停めた方が良さそうですね。
JR中央線 定光寺駅
高蔵寺駅から、10分程で「定光寺」駅到着。ここは、普段は秘境駅とよばれるぐらいひっそりとしている駅ですが、バブル期前までは名古屋の奥座敷といわれ観光客で賑わっていたところだそうです。駅前には大きな廃墟旅館も残っています。
駅は、崖にへばりついていて、ホームも狭い。しかし、今日は大勢の乗客がこの狭いホームを降りて行きます。
駅の階段を降りて、レトロなトンネルをくぐると、普段は無人の改札に、本日は臨時の駅員さんが何人かいらっしゃいました。
定光寺駅は、普通列車しか停車しませんが、この期間は快速も止まってくれるのでありがたい。
愛岐トンネル群散策
ビジターセンター
駅を出て、左に行くとトンネル群ですが、右に少し行ったところに、ビジターセンターが開設されていました。センターといっても古民家を改造した様な小さな建物です。
センターでは、愛岐トンネル群の歴史や公開までの経緯など、詳しく紹介されています。
奥の部屋では、鉄道模型の展示。こちらにNPO法人の方がいらっしゃって、トンネル群のことなど色々と気さくにお話しして頂きました。
散策コース
散策マップ
さてさて、散策開始ということで、人の流れにぞろぞろとついていくと、トンネル群入口に到着。旧勝川駅の明治時代のレンガで造られたモニュメントが出迎えてくれます。
こちらで協力金1人100円を支払い、散策マップを頂きました。
3号トンネル
まず、階段を登って廃線跡につくと、すぐに3号トンネルがあります。
ここからは、紅葉がトンネルを彩る美しい光景が続きます。
3号トンネルの全長は76m。トンネル内は暗いですが、所々にライトが設置されていて、トンネルのレンガを照らしています。廃線跡なので、足元は当時のバラストがそのままという感じなので、運動靴がいいと思います。
リユース柵
3号トンネルの次は、落石防護柵が残っているのですが、こちらは古レールを再利用したもの。1911年の八幡製鉄製や1919年のアメリカ・カーネギー社製の刻印が確認できるようになっています。
4号トンネル
4号トンネルは、75m。このあたりからは、紅葉が一段ときれいでした。
レンガ造りのトンネルは、100年以上経過しているにもかかわらず、現在でも重厚で威厳が漂う堂々たるポータル。当時のトンネル技術の凄さを感じることができます。
トンネルの出口付近に、注目すべきレンガの割れ目。こちらのクラックは、蒸気機関車がカーブを曲がりきれずに脱線、トンネルにもたれかかってしまったときの傷だどそうです。
トンネルを出て、5号トンネルまでは、大もみじ広場やマルシェなどがあって、マルシェではお弁当やグッズの販売も行っていました。
明治から昭和30年頃まで、駅弁と一緒に売られていた「汽車土瓶」が復刻されいたので、思わず買ってしまいました。これでたまにお茶でも入れてみようとおもいます。形がかわいいです。
トンネルカードというものが、一枚50円で販売されていました。保全活動にいかしていただきたいと思って、6号カードと5号カードをいただきました。
5号トンネル
5号トンネルは、全長99m。出たところには、蒸気機関車の動輪の展示がありました。
6号トンネル
6号トンネルの全長は333mで一番長いトンネルです。トンネルが「くの字」に曲がっていて長いため、中は真っ暗です。トンネル内部のレンがは、蒸気機関車時代のすすで黒いです。
↑はトンネルの出口。いまでこそトンネルの入り口がはっきりしていますが、公開は始まる前までは、山の自然に埋もれていたことでしょう。
公開されているのはここまで。これより先は、岐阜県多治見市になるのですが、この様な公開が許可されていないのだとか。このまま古虎渓駅まで遊歩道をつながれば、とてもいい散策コースになるともうのですが、実現するといいですね。
6号トンネルの下には、全国で唯一ここでしか見ることのできない、「インバート」があります。
インバートとは、地中側にもアーチ状の構造を作って、軟弱な地盤でも変形が起こらないようにするための構造だそうです。
こちらはレンガの積み方の展示がありました。この時代の近代遺産にはよく出てきますね。「イギリス積」と「フランス積」。猿島とか、友ヶ島とかでも見ましたね。
まとめ
ということで、11時頃から、14時頃まで約3時間で見て回ってきました。もう少し天気がいいともっと紅葉がきれいだったかもしれませんが、12月にしては暖かかったので、いい散歩になりました。
名古屋から近いので、春と秋にはお弁当を持って家族でピクニックする先として、とてもいい場所だと思いますよ。
最後は、定光寺駅の階段と、駅からみた庄内川の様子。
最後までご覧いただきありがとうございました。それでは、また~