こんにちは。
今回は敦賀観光のついでに、明治時代の鉄道遺産が数多く残る旧北陸線トンネル群を車で巡ってきました。
渦潮や絶景スポットのような派手さはありませんが、レンガ造りのトンネルや駅跡が今もそのまま残り、まるで明治時代へタイムスリップしたような気分を味わえます。
私は鉄道に詳しいわけではありませんが、それでも「これを130年以上前に人の手で造ったのか…」と驚かされる場所ばかりでした。
今回は、敦賀市内を観光したあとに、旧北陸線トンネル群の近代化遺産周遊ルートを約20kmドライブしてきた様子をご紹介します。
旧北陸本線
旧北陸線は、明治26(1893)年に着工し、明治29(1896)年に敦賀~福井間が開業しました。
敦賀市から南越前町にかけては急峻な山地が続くため、多くのトンネルが建設され、その数は13本にも及びます。
昭和37(1962)年に現在の北陸本線へ切り替えられた後、旧線は道路へ転用され、現在でも11本のトンネルが残されています。
この周辺にはトンネルだけでなく、築堤や橋梁、暗渠など明治時代の土木構造物が数多く残っており、その中でも谷川の水を通す「罠山谷暗渠」は旧北陸線最大規模の暗渠として知られています。
今回は時間の都合で立ち寄れませんでしたが、次回はぜひ見学してみたい場所の一つです。
また、昭和28年に造られた山中ロックシェッドは、日本最初期のプレストレストコンクリート造による落石覆工としても知られています。
こうした貴重な土木遺産群は、平成28年に国登録有形文化財(建造物)に登録されました。
実際に訪れてみると、明治時代にこれほど長いトンネルを人力中心で掘り抜いたことに驚かされます。当時の技術力と苦労を想像すると、思わず見入ってしまいました。
旧北陸線トンネル群近代化遺産周遊ルートへのアクセス
今回は敦賀市内を観光したあと、気比神宮から車で出発しました。
県道210号を東へ進み、現在の北陸本線と並走しながら国道8号敦賀バイパスをくぐると、道路は国道476号へ変わります。
さらに北陸自動車道と並走して進むと、左手に最初のトンネル「樫曲トンネル」が見えてきます。
今回は車だったため通過しましたが、現在は遊歩道として整備されており、歩いて見学することもできます。
実はこの国道476号の一部は、旧北陸線の線路跡を利用して整備された道路です。
「近代遺産周遊ルート」「旧北陸線トンネル群」の案内看板を左折すると、いよいよ明治の鉄道遺産巡りが始まります。
今回は、一番北側にある大桐駅跡まで向かい、その後、敦賀方面へ戻りながら各スポットを巡りました。
旧北陸本線 大桐駅跡
大桐駅跡は、当時のホームが最も良好な状態で残っている場所です。
道路からでもすぐ分かるほどホームがしっかり残っており、動輪やレールも展示されています。
案内板には現役時代の写真も掲載されていて、かつて多くの列車が発着していた様子が伝わってきます。
駐車スペースもあり、ゆっくり見学できます。



旧北陸本線 山中ロックシェッド
大桐駅跡から少し進むと、日本最初期のプレストレストコンクリート造で造られた山中ロックシェッドがあります。
途中には「往時の大桐風景」のパネルも設置され、ディーゼル特急が走っていた頃の写真を見ることができます。
鉄道が実際にこの場所を走っていたことを実感できるスポットでした。


旧北陸本線 山中信号所跡
こはスイッチバック区間のために設けられた信号所跡です。
待避線も当時のまま残されており、大桐駅方面と山中トンネル方面の両側へ分岐していた様子がよく分かります。
案内板や駐車スペースも整備されていて、見学しやすい場所です。




旧北陸本線 山中トンネル
山中信号所のすぐ隣にある山中トンネルは、旧北陸線トンネル群の中で最も長いトンネルです。
全長約1,170m、幅員約3.7m。
敦賀方面へ向かって右側が本線、左側には待避線のトンネルが残っています。
待避線は数十メートルほどで行き止まりになっていますが、当時の様子を想像できる貴重な遺構です。
本線側の坑門は重厚なレンガ造りで、とても迫力があります。
トンネル内では天井から絶えず水が滴り落ちており、130年以上の時を経たトンネルならではの雰囲気を感じました。
こちらも駐車スペースがあるので、ゆっくり見学できます。




旧北陸本線 曲谷トンネル
曲谷トンネルは、下部が石積み、上部がレンガ積みという美しい構造になっています。
内部はゆるやかにカーブしていて、奥まで見通せない独特の雰囲気がありました。

旧北陸本線 第二観音寺トンネル
第二観音寺トンネルも、曲谷トンネルと同じく石積みとレンガを組み合わせた造りです。
当時の技術やデザインを間近で見ることができ、歴史を感じられるトンネルでした。


旧北陸本線 葉原トンネル
敦賀側から訪れると最初に現れるトンネルです。
1894年に完成し、延長223m、幅員約3.7m。
石積みの坑門は重厚感があり、写真映えするスポットでもあります。


まとめ
旧北陸線トンネル群は、明治時代に造られた鉄道トンネルを実際に車で走ることができる、全国でも珍しい近代化遺産です。
トンネルだけでなく、駅跡や信号所跡、ロックシェッドなど見どころも多く、歴史好きはもちろん、ドライブ好きにもおすすめのルートでした。
ただし、トンネルは当時の鉄道規格のまま利用されているため非常に狭く、車同士のすれ違いができない場所もあります。長いトンネルでは信号による交互通行になっているので、案内に従って安全運転で通行しましょう。
また、山間部のため落石対策工事が行われている場所もありました。大雨の直後や悪天候の日は無理をせず、道路状況を確認してから訪れるのがおすすめです。
敦賀観光と合わせて巡れば、明治時代の土木技術の高さを肌で感じられる、とても印象に残るドライブになると思います。


