こんにちは。今日も街をぶらぶら歩いてきました。
今回訪れたのは福井県敦賀市。
以前は釣りで何度も訪れていたので、「海」と「原発」のイメージしかなかったのですが、実際に街を歩いてみるとなかなか見どころ満載の街ではないですか。
明治から昭和初期の近代建築、港町として栄えた歴史、日本海と鉄道が結び付いたストーリーなど、レトロ感満載の街でした。
今回はそんな敦賀の街を、歴史スポットを中心にのんびり巡ってきました。
敦賀市街エリア
敦賀駅前
来年の北陸新幹線延伸を控えた敦賀駅前は、再開発が進み、とてもきれいな駅前へ生まれ変わっていました。
新しい駅舎には飲食店やスターバックスも入り、一昔前の駅前とはまるで別の街のよう。
そんな新しい駅の中でも、昔から親しまれている駅そば「あまの」が今も営業しているのが嬉しいところです。駅そば好きとしては、もちろん立ち寄ります(笑)。
今回いただいたのは「おぼろそば」。とろろ昆布だけのシンプルなお蕎麦ですが、これぞ駅そばという安心する味でした。



敦賀市立博物館
敦賀市立博物館は、旧大和田銀行本店を利用した博物館。外から見ても重厚感がありますが、中へ入るとさらに驚きます。
大理石や木材をふんだんに使った館内は、銀行というより洋館のような雰囲気。
こんなところで毎日仕事してみたいと思ってしまうほど素敵な空間でした。
当時としては珍しく、市民が利用できるレストランや集会場まで設けられていたそうで、大和田氏の先進的な考え方にも驚かされます。
建物そのものを見るだけでも十分価値がある博物館でした。





須崎の高灯篭
こちらは博物館通りから、更に西に進んで、運河を渡ったところにあります。こちらの灯篭は現存する日本海沿岸の最古の石積の灯台らしいですよ。建造は1802年。
江戸時代の北前船の時代から大活躍だったんでしょうか??


敦賀ヨーロッパ軒本店|レトロな洋食店で味わう元祖ソースかつ丼
福井名物といえば、やっぱりソースかつ丼。
その元祖として知られるのがヨーロッパ軒です。本店は福井市にありますが、敦賀のヨーロッパ軒も昭和14年(1939年)創業の暖簾分け店で、80年以上地元で愛され続けています。
建物の外観も店内も、どこか懐かしい昭和の洋食屋さんそのもの。歴史ある敦賀の街歩きにもぴったりのお店でした。
今回注文したのは定番の「カツ丼」と、「スカロップ」。
カツ丼は、大きなロースカツが3枚ものった迫力満点の一杯。衣は薄めで、お肉はやわらかく、甘すぎず酸っぱすぎない絶妙なソースがご飯によく合います。ボリューム満点で大満足でした。
それでも食べきれなかった場合は、お持ち帰り用のパックを用意してもらえるので安心です。
もう一品注文した「スカロップ」は、パン粉をまとったとんかつに特製ソースをかけた洋食メニュー。名前だけでは想像がつきませんでしたが、こちらもヨーロッパ軒らしい一品で、とても美味しくいただきました。
敦賀観光でランチに迷ったら、まず候補に入れて間違いない一軒だと思います。




氣比神宮(気比神宮)
越前國一之宮として古くから信仰を集めてきた氣比神宮。まず目を引くのは高さ約11mの大鳥居。
奈良の春日大社、広島の厳島神社と並ぶ「日本三大木造鳥居」の一つだそうです。実は今回で三大木造鳥居をコンプリート。こういう偶然ってちょっと嬉しいですよね(笑)。鳥居をくぐるとすぐに「長命水」が湧いています。
もちろんありがたく一杯いただきました。これで少しは長生きできるでしょうか。



敦賀港・金ヶ崎エリア
敦賀港といえば、今では静かな港町という印象ですが、かつては日本とヨーロッパを結ぶ玄関口として栄えた場所でした。
鉄道は港まで延び、敦賀港駅からは国際航路へ乗り継ぐことができたため、多くの人や物資がこの港を行き交っていたそうです。
そんな歴史を伝える建物や施設が数多く残されており、「海を越えて世界とつながっていた港」の物語は、日本遺産にも認定されています。
歩いてみると、単なる港町ではなく、日本の近代史を肌で感じられるエリアでした。
敦賀鉄道資料館
まず訪れたのは敦賀鉄道資料館。
建物は、かつての敦賀港駅をイメージして復元されたもので、館内は無料で見学できます。
展示されているのは、明治から昭和にかけて敦賀港が国際都市として発展した歴史。
中でも印象に残っているのが、「東京発ベルリン行き」の切符が実際に存在していたことです。
当時は東京から列車で敦賀へ向かい、港から船でウラジオストクへ。そしてシベリア鉄道に乗り換え、ヨーロッパまで旅をしていたそうです。
今では飛行機で十数時間の距離ですが、当時は鉄道と船を乗り継いで大陸へ向かう壮大な旅だったんですね。
鉄道好きとしては、そんな時代に一度乗ってみたかったなと思ってしまいました(笑)。
ちなみに、ここでは敦賀港デザインのマンホールカードもいただけました。



人道の港 敦賀ムゼウム
鉄道資料館から港沿いを歩くと、「人道の港 敦賀ムゼウム」があります。
この場所こそ、かつて敦賀港駅があった場所。
目の前の岸壁からは、ロシア方面への定期国際航路が発着していたそうです。
ムゼウムでは、杉原千畝が発給した「命のビザ」を持つユダヤ人難民や、ポーランド孤児たちが敦賀港へ上陸した歴史が紹介されています。
華やかな港の歴史だけではなく、人の命をつないだ港でもあったことを知ると、この場所の見え方が少し変わります。
同じ景色を、当時の人たちはどんな思いで見ていたのでしょうか。歴史を知ると、旅は何倍も面白くなりますね。
こちらでも別デザインのマンホールカードをいただきました。



敦賀赤レンガ倉庫
続いて訪れたのは敦賀赤レンガ倉庫。
明治時代に石油の保管庫として建てられた建物で、現在はレストランと鉄道ジオラマ館として活用されています。
館内のジオラマでは、明治から昭和初期の敦賀の街並みや港の様子が細かく再現されていて、思っていた以上のスケールでした。
外には国鉄色のディーゼル急行も保存されていて、鉄道好きなら思わず足を止めてしまいます。
レンガ造りの建物と保存車両が並ぶ景色は、どこか時間が止まったような雰囲気で、港町・敦賀らしさを感じられるスポットでした。



敦賀港駅ランプ小屋
赤レンガ倉庫のすぐ近くには、「ランプ小屋」と呼ばれる小さなレンガ造りの建物が残っています。
名前だけでは何の建物か想像できませんでしたが、その名のとおり、列車で使われていたカンテラ(ランプ)の燃料を保管していた倉庫だそうです。
今では列車のライトといえば電気が当たり前ですが、昔は灯火もランプだったんですね。そんな時代を支えた施設が今も残っていると思うと、何気ない小さな建物にも歴史を感じます。
派手な観光スポットではありませんが、鉄道好きや近代遺産が好きな方なら、ぜひ立ち寄ってほしい場所です。
ちなみに、ランプ小屋の横には松尾芭蕉の句碑も建てられていました。「おくのほそ道」の旅で敦賀を訪れた芭蕉も、この港町の風景を歩いていたのかと思うと、なんかいいですね。




泉のお清水
旧敦賀港駅から敦賀駅方面へ歩いていると、ところどころ線路の跡が残っています。
もちろん現在は列車は走っていませんが、レールを見るだけで少しテンションが上がってしまうのは、鉄道好きあるあるでしょうか(笑)。
そんな線路跡をたどっていくと、「泉のお清水(いずみのおしょうず)」という湧水スポットがあります。
観光地として大きく紹介される場所ではありませんが、この湧き水は戦国時代に発見されて以来、およそ600年もの間、一度も枯れることなく地域の人々の暮らしを支えてきた名水なのだそうです。
現在も透き通った水がこんこんと湧き出していて、地元の方がポリタンクを持って水を汲みに来る姿も見られました。
派手な観光施設ではありませんが、こういう何百年も変わらず人々の生活を支えてきた場所に出会えるのも、街歩きの面白さですね。
レールの跡をたどりながら、歴史ある湧き水に立ち寄る。そんな少しディープな散策も、敦賀ならではの楽しみ方だと思いました。



旧北陸本線廃線跡めぐり
今回の敦賀観光でもう一つの目的が、旧北陸本線トンネル群を巡ることでした。
長浜~敦賀~南今庄間には、明治時代に造られた旧北陸本線のトンネル群が今も数多く残っており、その多くが現在は道路として利用されています。
100年以上前に造られたレンガ積みのトンネルを、実際に車で走り抜けられる場所は全国でもそう多くありません。登録有形文化財に指定されたトンネルも点在していて、鉄道ファンはもちろん、近代土木や歴史好きにもたまらないスポットです。
実際に走ってみると、トンネルごとに造りや雰囲気が異なり、「明治の土木技術ってすごいな」と何度も感心させられました。
こちらは見どころが多すぎるので、別記事でじっくりご紹介したいと思います。

まとめ
今回は車で敦賀を一日かけて巡ってきました。
これまで敦賀といえば、私の中では釣りの街というイメージが強かったのですが、実際に歩いてみると、その印象は大きく変わりました。
港町として栄えた歴史、近代建築、日本海と世界をつないだ鉄道、そして人道の港としての物語。街を歩くだけで、江戸時代から昭和初期までの歴史をたどっているような感覚になり、とても見応えのある街でした。
市街地の観光だけなら、敦賀駅を起点に徒歩やレンタサイクルでも十分楽しめます。一方、旧北陸本線トンネル群まで足を延ばすなら、やはり車があると便利ですね。
今回は市街地と旧北陸本線を中心に巡りましたが、気比の松原や郊外の神社仏閣、美しい日本海の海岸線など、まだまだ訪れてみたい場所がたくさん残っています。
関西や東海から気軽に訪れることができる敦賀。歴史や鉄道、レトロな街並みが好きな方には、ぜひ一度歩いてみてほしい街でした。
次回は、今回一番楽しみにしていた「旧北陸本線トンネル群」を、写真たっぷりでご紹介したいと思います。



