んにちは。
今回は、愛知県春日井市と岐阜県多治見市の県境にある「愛岐トンネル群 秋の特別公開」へ行ってきました。
普段は立ち入りできない旧中央本線の廃線跡が、毎年春と秋だけ一般公開され、明治時代に造られたレンガ造りのトンネルや、美しい紅葉を歩いて楽しめます。
実際に歩いてみると、100年以上前の鉄道遺産と自然が見事に調和した、とても雰囲気のある散策コースでした。
この記事では、次の内容をご紹介します。
・愛岐トンネル群とは
・アクセス・駐車場情報
・実際に歩いた散策コース
・見どころ・所要時間
愛岐トンネル群とは
愛岐トンネル群は、愛知県春日井市と岐阜県多治見市の県境にある、旧JR中央本線(高蔵寺〜多治見間)の廃線跡です。
中央本線は1900年(明治33年)に開通し、名古屋と東濃地方を結ぶ重要な鉄道路線として活躍しました。
その後、複線電化と長大トンネルを含む新線への切り替えにより、1966年(昭和41年)にこの区間は廃線となります。
約40年間、人が立ち入らないまま自然に埋もれていましたが、2005年に再発見され、市民ボランティアによる整備が始まりました。
現在では、近代化産業遺産や登録有形文化財にも登録され、毎年春と秋だけ一般公開されています。
トンネル群の再生
1966年(昭和41年)、高蔵寺~多治見間は新線への切り替えによって廃線となり、トンネル群は約40年間、草木に覆われたまま忘れられた存在になっていました。
しかし2005年に再発見され、2007年には市民ボランティアによる保存活動がスタート。多くの人たちの努力によって少しずつ整備が進み、現在では一般公開できるまでに再生されました。
その歴史的価値も高く評価され、「近代化産業遺産」や「登録有形文化財」に登録されています。
秋の特別公開へ行ってみた

明治時代のレンガ造りトンネルは、今見ても堂々としていて存在感があります。
今年の夏には敦賀の旧北陸線トンネル群を訪れたこともあり、「近所にもこんな廃線跡があるなら行ってみたい」と思い、今回は息子と一緒に秋の特別公開へ行ってきました。
アクセス
JR中央線「定光寺駅」から徒歩約3分
愛岐トンネル群には専用駐車場がないため、基本的にはJR中央線でのアクセスになります。特別公開期間中は、一部の快速列車が定光寺駅に臨時停車するので、通常よりアクセスしやすくなります。
駐車場はある?
愛岐トンネル群には専用駐車場がありません。そのため、主催者もJRの利用を案内しています。周辺道路も狭いため、路上駐車は避けましょう。
私は高蔵寺駅に車を停めました
今回は高蔵寺駅周辺のコインパーキングに車を停め、JRで定光寺駅へ向かいました。
公開最終日の午前10時頃に到着しましたが、駅周辺のコインパーキングはどこも満車。運良く1台空いたタイミングで駐車できました。
土日や公開終盤は混雑することが多いようなので、車で行く場合は早めの到着がおすすめです。
JR中央線 定光寺駅
定光寺駅は庄内川沿いの崖に造られた小さな駅で、「秘境駅」と呼ばれることもあります。
現在は静かな無人駅ですが、昭和初期までは定光寺温泉の玄関口として多くの観光客で賑わったそうです。
駅前には当時を思わせる大きな廃旅館も残っています。


駅の階段を降りて、レトロなトンネルをくぐると、普段は無人の改札に、本日は臨時の駅員さんが何人かいらっしゃいました。
定光寺駅は、普通列車しか停車しませんが、この期間は快速も止まってくれるのでありがたい。


愛岐トンネル群散策
ビジターセンター
駅を出て、左に行くとトンネル群ですが、右に少し行ったところに、ビジターセンターが開設されていました。センターといっても古民家を改造した様な小さな建物です。



センターでは、愛岐トンネル群の歴史や公開までの経緯など、詳しく紹介されています。
奥の部屋では、鉄道模型の展示。こちらにNPO法人の方がいらっしゃって、トンネル群のことなど色々と気さくにお話しして頂きました。



散策コース
散策マップ

さてさて、散策開始ということで、人の流れにぞろぞろとついていくと、トンネル群入口に到着。旧勝川駅の明治時代のレンガで造られたモニュメントが出迎えてくれます。
こちらで協力金1人100円を支払い、散策マップを頂きました。


3号トンネル
まず、階段を登って廃線跡につくと、すぐに3号トンネルがあります。
ここからは、紅葉がトンネルを彩る美しい光景が続きます。

3号トンネルの全長は76m。トンネル内は暗いですが、所々にライトが設置されていて、トンネルのレンガを照らしています。廃線跡なので、足元は当時のバラストがそのままという感じなので、運動靴がいいと思います。



リユース柵
3号トンネルの次は、落石防護柵が残っているのですが、こちらは古レールを再利用したもの。1911年の八幡製鉄製や1919年のアメリカ・カーネギー社製の刻印が確認できるようになっています。


4号トンネル
4号トンネルは、75m。このあたりからは、紅葉が一段ときれいでした。
レンガ造りのトンネルは、100年以上経った今でも立派な姿を残していて、当時の土木技術の高さを感じます。


クラック
トンネル出口付近にはレンガに大きなひび割れが残っています。
これは蒸気機関車がカーブで脱線し、トンネル壁に接触した際にできた傷だそうで、100年以上経った今でも当時の事故の痕跡を見ることができます。


トンネルを出て、5号トンネルまでは、大もみじ広場やマルシェなどがあって、マルシェではお弁当やグッズの販売も行っていました。



マルシェでは、明治から昭和30年代頃まで駅弁と一緒に販売されていた「汽車土瓶」が復刻販売されていました。素朴な形がかわいらしく、思わず購入。今でも家でお茶を入れて楽しんでいます。



5号トンネル
5号トンネルは、全長99m。出たところには、蒸気機関車の動輪の展示がありました。


6号トンネル
6号トンネルの全長は333mで一番長いトンネルです。トンネルが「くの字」に曲がっていて長いため、中は真っ暗です。トンネル内部のレンガは、蒸気機関車時代のすすで黒いです。

↑はトンネルの出口。いまでこそトンネルの入り口がはっきりしていますが、公開は始まる前までは、山の自然に埋もれていたことでしょう。
公開されているのはここまで。これより先は、岐阜県多治見市になるのですが、この様な公開が許可されていないのだとか。このまま古虎渓駅まで遊歩道がつながれば、とてもいい散策コースになると思うのですが、実現するといいですね。

インバート(トンネル底部のアーチ構造)
6号トンネルの下には、日本で唯一公開されているレンガ造りの「インバート」があります。
インバートとは、トンネル底部にもアーチ状の構造を設けることで、軟弱地盤でも変形しにくくするための土木技術です。
普段は見る機会がほとんどない貴重な構造なので、ぜひ足元にも注目してみてください。


こちらはレンガの積み方の展示がありました。この時代の近代遺産にはよく出てきますね。「イギリス積」と「フランス積」。猿島とか、友ヶ島とかでも見ましたね。


まとめ
ということで、愛岐トンネル群の秋の特別公開を歩いてきました。
約3時間の散策でしたが、明治時代のレンガ造りトンネルや美しい紅葉、そして多くのボランティアの方々によって守られてきた歴史に触れられる、とても充実した時間になりました。
名古屋から電車で気軽にアクセスできるので、春の新緑や秋の紅葉シーズンのお出かけ先としてもおすすめです。
公開は年2回だけなので、興味がある方はぜひ次回の特別公開に合わせて訪れてみてください。


最後は、定光寺駅の階段と駅から眺めた庄内川の景色。

明治時代の鉄道遺産と四季折々の自然を同時に楽しめる、東海地方でも貴重なスポットだと感じました。最後までご覧いただき、ありがとうございました。


