さて、見どころが多すぎる明治村。
ここからは、4丁目からを観ていきます。
4丁目
代化の波が押し寄せた明治時代に生まれた、病院やガラス製造所、鉄道寮といった施設。これらと並んで、昔ながらの芝居小屋や銭湯が残されていて、時代の移り変わりを感じさせるエリア。
半田東湯
4丁目の一番最初は、今までとは打って変わって、明治末期の庶民的な銭湯。
知多半島の半田にあった建物で、一階は銭湯、2階は、お風呂上がりの常連客が雑談で盛り上がっていたそう。

浴槽は、男湯と女湯が繋がっていて、目隠しで、仕切られているだけ。

呉服座
次は、大阪にあった芝居小屋「呉服座」。
NHKの朝ドラ「わろてんか」のロケ地としても使われていました。私も見てました。
そして客席の「枡席」など、江戸時代から続く伝統的な芝居小屋の雰囲気がそのまま残されていて、一歩足を踏み入れれば、まるで明治時代の感覚。



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本郷喜之床
庶民的な建物。東京・文京区本郷にあった屋号を「喜之床」と称する理髪店。
この建物の2階を間借りして、石川啄木が暮らしていたそうです。
床屋さんのヘアカットポスターが浮世絵風なのが面白い。

宇治山田郵便局舎
今の伊勢神宮外宮の前に建てられたのが、宇治山田郵便局舎。
中には、当時の最先端だった公衆電話室や、郵便窓口、事務室などがずらりと並んでいて、中に入るとその広さと、たくさんの人が働いていたであろう様子がうかがえる。


鉄道寮新橋工場・機械館
新橋にあった鉄道の工場。館内には、当時使われていた巨大な機械がずらり。日本の「ものづくり」の原点を感じられる迫力満点の空間ですよ。

建物内右側には、日本の近代化に貢献したリング精紡機。こちらは明治時代に実際に使われていたもの。

名古屋衛戍病院
明治11年(1878年)に現在の名古屋城の敷地内に建てられた陸軍病院。
ここには、当時の緊迫した空気が今も残っているような気がする。少し怖いけどおすすめな場所。

大正時代に開発された、国産のX線装置「ダイアナ号」。


そして、病室には、当時使われえていた医療品やベッド。

当時の手術台や無機質な器具は、冷たい雰囲気で、当時のリアリティを、肌で感じられる。


食道楽のカフェで一息
色々見てきて、2人共だいぶお疲れ気味。ここで、芝生と入鹿池を眺めながら、私はビールチャージ、子供はコーラチャージ。


ブラジル移民住宅
さて、チャージしたところで、4丁目の入鹿池側を見ていきます。
最初は、ブラジル移民住宅。この建物は、大正時代にサンパウロに日本人の手によって建てられたそう。
使われている素材は現地の堅い木材ですが、私たちが見てもなぜかホッと安心する、違和感のない佇まいを感る。遠い異国の地で、移民の方々の強い思いが伝わってくる。

そして、多くの移民を運んだ笠戸丸の模型。この笠戸丸の数奇な一生についてもなかなか興味深い。

尾西鉄道蒸気機関車1号
明治29年(1896)にアメリカから輸入された機関車。その後は、新潟の工場でも活躍したそう。

六郷川鉄橋
またまた、トラス橋。六郷川鉄橋は日本初の複線用鉄橋らしい。

ハワイ移民集会所
日本人向けの教会として造られたハワイ移民集会所。中には、何故かハワイ土産の定番中の定番「ハワイアンホースト(Hawaiian Host)」の山。懐かしい。

シアトル日系福音教会(旧シアトル住宅)
こちらの建物は、私もよくDIYで使う2×4(ツーバイフォー)の規格材が使われるようになった、2×4構法の先駆的建物だそうです。

もともとは住宅として建てられた建物。2階には、寝室はやバスルームがあります。寝室の入鹿池ビューが最高。家にもこんな部屋がほしいわ。

3丁目を少し散策
もう、だいぶ疲れてきましたが、京都市電に乗って、7条駅に戻って来ました。
ここからは、ラストスパートで2丁目を見ていきますが、その前に、3丁目の建物で飛ばしてしまった「芝川又右衛門邸」を見ることに。
芝川又右衛門邸
ちょうど訪れた時、明治時代の装いをされたガイドのお姉さんが案内をしてくださり、建物の構造や当時の生活についてとても詳しく説明していただけました。こうした生の解説があると、建物に対する見方も全然違ってきますね。ガイドさんがいたら、積極的に話を聞くと面白いですよ。
この建物は、現在の兵庫県西宮市・甲東園に建てられた大阪商人・芝川又右衛門の別荘。

豪商の別荘だけあって、建物のあちこちにちょっとした仕掛けやこだわりが見られ、とても興味深い造りでした。

特に、天井へのこだわりが色々と見られる。

お風呂の天井にもこだわりの意匠が施されていました。これは何に見えますか?私は鳳凰のように見えましたが、人によっては別のものに見えるかも。

使用人の部屋にはブレーカーの様なもの。呼び出し用のボードらしいです。どの部屋から呼ばれたのかわかるという仕組み。

そして2階。和風の扉の中からは、暖炉。そして2階の欄干にはハート型の意匠。細かいところまでこだわりが詰まっている。


最後にお姉さんが教えてくれたのが、このステンドグラスの明かり採り。
昼間は、ステンドグラスがとてもきれいで、夜暗くなっても楽しめるように、金の縁取りで模様が出る仕組みになっている。

宗教大学車寄
2丁目へ向かう前に、少し足をのばして入鹿池方面へ。
朝から蒸し暑かった一日でしたが、午後になって池のあたりは少し風も出てきて、心地よい涼しさに包まれていました。
そんな入鹿池のほとりに、ひっそりと佇むのが宗教大学(現在の大正大学)の車寄せ。
この建物は、もともと大学の正面玄関に設けられていた車寄せで、堂々としたバロック様式の意匠が目を引きます。高く美しく飾られたアーチと柱、そしてゆるやかなカーブの屋根。その姿からは、当時の大学建築の威厳や格式が感じられ、立派な建物だったのでしょう。

2丁目
さてさて、ようやく最後の2丁目。本当にこうやって書くだけでも疲れてきました。
札幌電話交換局
一番手前にあったのが、札幌電話交換局。
明治33年(1900年)に建てられたこの建物は、当時の最先端通信設備——電話交換機を収めていた施設です。
堅牢な石造りは、交換機という非常に高価で重要な設備を火災から守るために、地元・北海道産の石材を使って建てられたのだそうです。
実際、明治期の公的な建築物では、「不燃化」が強く意識されており、石材や煉瓦造りが多く採用された背景があるそうです。

現代から見ると、かつては電話の相手につないでもらうのに、交換手の手作業が必要だったというのは考えられないですね。



東松家住宅
こちらは名古屋市にあった明治時代の町家建築で、店舗と住居を兼ね備えた造りになっています。

通りに面した狭い間口から、奥へと深く続く間取りはまさに町家の典型ですが、創建以来、何度も増改築を重ねてきたとのこと。

この時代の建物には、よくこの様な帳場が残っていますね。

第四高等学校物理化学教室
こちらは、かつての第四高等中学校(現在の金沢大学)の物理・化学実験教場として建てられた建物。明治期においては、理科教育の近代化が進められていた時代背景があり、こうした本格的な実験施設が整備され始めたのもその一環だそう。
中に入ると、教室の黒板の背面には石敷きの実験台が設けられていて、当時の様子をそのまま感じることができます。この実験台では、有害ガスを発生させるような化学実験も行われていたそうで、そのための排気用の煙突まで備えられていたらしい。


清水医院
さて、次に訪れたのは、こじんまりとした明治時代の町のお医者さん「清水医院」。
もともとは中山道沿いにあった建物だそう。
木造の建物に、薬棚や診察室が当時のまま再現されていて、懐かしさを感じる空間でした。
私自身、小学生の頃に通っていた耳鼻科を思い出す空間でした。受付の雰囲気や診察台の感じが、なんとなく似ていて、診療所の風景って、心に強く残るものですね。

東山梨郡役所
ようやく本日最後の建物。山梨県東山梨郡にあった東山梨郡役所。
明治村を代表する建物のひとつで、擬洋風建築の代表格とも言われているそう。
建物の外観には、西洋のゴシック建築に見られるような柱や、アーチ状の洋風扉などが使われており、一見すると洋風建築そのもの。しかし、よく見ると瓦屋根が使われていたり、基本的な構造は木造の日本建築で、まさに「見た目は洋風、でも中身は和風」という魅力の建物。
当時の日本が、西洋の文化をとりいれ自分たちのものとして消化していく様が、とても興味深い。

明治村の村長さん、阿川 佐和子さんだったんですね。知りませんでした(笑)


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まとめ

やっと、終わりました。
朝イチで明治村に入り、紙のマップを手に1丁目から順に建物を巡りました。どこも見応えがあり、歩き回るだけでも楽しかった。それでも見逃した建物はまだまだあり、1日ではとても回りきれませんでした。
6月の曇り空でしたが、意外と蒸し暑くて、なかなか体力を消耗します。真夏に行くなら、曇りや雨の日の方が過ごしやすいかもしれませんね。
地元ということもあって何度か訪れたことのある明治村ですが、大人になった今だからこそ、本当に楽しめるテーマパークだと思いました。
明治の暮らし、建築、文化をリアルに体感できるのが明治村の魅力。当時の「空気」が感じられるのがいいところ。
歴史的建築や博物館が好きな方には、ぜひ一度じっくり歩いてまわってほしい場所です。
また季節を変えて訪れてみたいと思います。それでは~~
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